1932 - 1969
Trombonist
Don Drummondドン・ドラモンド
『世界で5本の指に入る』と称される孤高の天才トロンボーン奏者
9歳の頃、音楽学校アルファ・ボーイズ・スクール(Alpha Boys School)に入学するとすぐにトロンボーンの才能を開花させ、卒業後には複数のバンドで活動するようになる。1956年にはジャズ・シンガー、サラ・ボーン(Sarah Vaughan)と共演し、『世界で5本の指に入るトロンボーン奏者』と賞賛された有名なエピソードがある。
1960年代に入ってコクソンによって集められたミュージシャンの一人で(メンバーはRoland Alphonso(サックス)、Lester Sterling(サックス)、Jackie Mittoo(ピアノ)など)彼らはスカタライツ(The Skatalites)と呼ばれるようになる。この頃からすでに精神を患い入退院を繰り返していたが、その評価が揺らぐことはなかった。スタジオ・ワン(Studio One)、トップ・デッキ(Top Deck)、トレジャー・アイル(Treasure Isle)にスリリングな名曲を数々残している。しかし精神状態が次第に悪化すると、演奏に集中できなくなっていき、奇行が目立つようになる。ついに65年には恋人Margaritaを殺害し精神病院に隔離されてしまう。
その後1969年37歳の若さでこの世を去るまで病院から出ることはなかった。