What's Dubダブとは

1968年トレジャー・アイル（Treasure Isle）でのミキシング中、エンジニアのバイロン・スミス（Byron Smith）はうっかりヴォーカルを乗せ忘れたが、そのままB面として残し、ダンスでかけるとそれがマッシュアップ。それ以来シングル盤のB面にはヴォーカルを抜いたヴァージョン（version）を収録することが多くなり、そこに被せてDJがトースティングするスタイルが大人気となった。このヴァージョンの制作過程でリディムトラックにディレイやリバーブといったエフェクトをかけたことがダブ（Dub）の始まりであり、最初にこの実験的作業をおこなったのがキング・タビー（King Tubby）だといわれている。タビーの制作したヴァージョンにU・ロイ（U Roy）がかぶせるトースティングによって、彼の所有するサウンドシステム、ホームタウン・ハイファイ（Hometown Hi-Fi）は絶大な人気を博し、それとともにダブがひとつのジャンルとして認知されるようになった。

1973年がダブ誕生の年とされ、同時期にハーマン・チン・ロイ（Herman Chin-Loy）-“Aquarius Dub”、リー・ペリー（Lee Perry）-“14 Dub Blackboard Jungle(Blackboard Jungle Dub)”、Impact All Stars-“Java Java Java Java”、プリンス・バスター（Prince Buster）-“The Message Dubwise”などのアルバムがリリースされている。

悠然と高揚感の漂うダブ・サウンドは、マリファナを吸っている人間のマインドを音楽で表現したものと評される。